片付けについて考えるとき、多くの人が感じるのは「片付けが終わらない」「すぐに元の状態に戻る」というジレンマです。特に一度部屋が散らかり始めると、そのあとはどんどんものが増え、状態は悪化していくという経験があるのではないでしょうか。私もよく経験することです。
片付けの構成要素
元井氏の研究によれば、
片づけという行動は,不要な物を「処分」することで,自室(自分のスペース)の物が増えすぎないように管理し,必要な物を一定の基準に従って種類別に「分類」し,物の定位置を決め,定位置から出し
た物を元の場所に戻して「整頓」し,乱れた状態を整えるという一連の行動である。
つまり、片付けは「処分」「分類」「整頓」の三つの要素で構成されていることがわかります。この三つを実施することで部屋の綺麗さは保たれるようです。かなりハードルが高いような気がしますね。
私はこれが苦手と感じる要素があれば、コメント欄で教えてください。
では、片付けの難しさについて考えていきましょう!
汚れは拡大していく
片付けが難しい理由の一つは、汚れや散らかりが一度始まると、自然とその範囲が広がっていくことです。例えば、部屋に服やものをまたすぐに使うからと一時的に置いたり、使いっぱなしにしておいたりすると、最初は一箇所に集中していた散らかりが次第に部屋全体に広がります。
また、物が置きっぱなしになっている状態が続くと人はその状態に慣れてしまうことがあります。慣れてしまうと、一時的に置いただけものを片付ける必要がないと認識してしまいます。
片付けは習慣化が必要
片付けが難しい理由の一つは、物の管理には常に意識と時間が必要だということです。片付けはただ物を「元に戻す」ことだけではなく、物を整理し、必要なものと不要なものを選別する作業を含みます。特に、物が多いと、この作業に時間がかかり、疲れます。
また、片付けを継続するためには習慣化が必要です。最初は「よし!片付けるぞ!」と意気込んでいても、数日後にはまた物が散らかり、三日坊主になってしまいます。これは、片付けだけでなく、勉強や筋トレなどもそうですね。
習慣化の難しさは、特に忙しい日常の中でよく現れます。仕事や家庭の用事などでスケジュールが埋まっていたり、それらによって体力が削られていると、片付けは後回しにされやすく、次第に物が溜まっていきます。
習慣化させるために、「毎日少しずつ片付ける」「片付ける時間を設ける」など工夫する必要があります。しかし、それがなかなか難しいのが片付けですよね。
片付けには労力を伴う
片付けには物理的な労力が必要です。物を移動させたり、掃除をしたりすることは思った以上に体力を使う作業です。特に、片付けが苦手な方は何から手をつけていいのかわからなかったり、まだいいやと片付けを後回しにしてしまったり、片付けるときに人一倍労力が必要です。
また、片付けの時間が長くなると、その分精神的にも疲れます。片付けを始める前に「どれくらい時間がかかるんだろう」「終わるかどうかわからない」不安なんかもあります。これも片付けが難しい理由の一つです。
物に対する感情的な執着
片付けを難しくする理由として、物に対する感情的な執着です。不要な物が多くなっても、それを捨てることに対して抵抗を感じる人は少なくありません。たとえ使わなくなった物であっても、その物に思い出や意味を見出し、手放すことに対する罪悪感が生まれます。
私は、「1年使わなかったものは捨てる」「誰かにあげてもいいなと思うものは人にあげるか捨てる」などマイルールを決めて対策しています。また、使わないけどどうしても捨てられないものは写真に残しておくこともしています。
まとめ
片付けが難しい理由は、
片付けは単なる整理整頓ではなく、物を選別し、感情的な葛藤を乗り越えながら進める作業です。日々の努力が必要であり、少しずつ習慣化していくことが大切です。
片付けをすること自体負担が大きいですが、一個ずつできることを実践してみましょう。知らないうちに部屋が綺麗なっているかもしれませんね。
引用元:元井沙織、改訂版片づけ行動尺度の作成と信頼性・妥当性の検討JapaneseJournalofAppliedPsychology
2020,Vol.46,No.1,45-52
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