看護とミニマリズムは、一見違うけれど実は似ています。
「本質を見極める力」や「シンプルさが生む効率」という部分が共通点になっているではないでしょうか。
今回はこの2点について掘り下げてみます。
本質を見極める力:「何が大切かを考える」

看護の視点
看護師は、患者さんにとって何が一番必要なケアなのか常に考えて行動しています。これは看護の本質となるところです。
例えば、私は外科の看護師なので、手術をする患者さんが大半です。手術を受ける患者さんは、手術の前に手術がうまくいくのか、痛みはあるのか、いつから動けるようになるのか、いつ退院できるのかなど様々な不安を持っています。そんな患者さんに一番必要なことは、話を傾聴することです。手術後の場合は、痛みを伴うので痛み止めの使うタイミングはこの人にとっていつが良いのか見極める力が重要になってきます。また、術後は合併症が起こることもあるので、異常があるのかないのか、報告が必要なのかそうでないのか見極めることが重要です。
このように常に患者さんのことを考えて仕事しています。
しかし、複数の患者さんを受け持っていると、それぞの患者さんのことを全て知ることは難しく、患者さんにとって必要なケアをすることができない場合もあります。必要なケアができるように優先順位を考え、なるべく全員に必要なケアが行き渡るよう行動しています。
ミニマリズムの視点
ミニマリズムは、自分にとって本当に必要なモノが何か考えています。この考えがなければ、無駄なモノを買ってしまい、不要なモノが捨てれず部屋が汚れてしまいます。
家にあるものが自分に必要かどうか考え取捨選択することが重要です。
また、無駄を省くことで、時間や労力に余裕が生まれ自分が使いたいところにエネルギーを使うことができます。
本質を見極める力という視点で見たら、対象は「他人」と「自分」で違いはありますが、対象にとって必要なことは何か考え行動していることがわかります。
シンプルさが生む効率:無駄をなくしてより良い看護や生活を

看護の視点
看護では、なるべく無駄を省いて複数の患者さんに必要なケアをしたいと考えています。例えば、病室を訪ねるときはなるべく一度で済むようにできることはまとめて行っています。また、モノの配置を整えることでどこに何があるのか明確になり探す手間を減らすことができます。
他の職業でも当然同じことが言えると思いますが、命に関わる責任感や体力、精神の負担は他の職業と比べても高いように感じますので、より無駄を省きシンプルに行動することが求められます。
ちなみに、先輩になればなるほど、手技は反射的に行えるようになるので、必要なところに考える力を使えるようになります。
ミニマリズムの視点
ミニマリズムの方は、不要なモノは捨てて必要なものだけ残すことで、無駄な時間や手間を減らすことができます。また、持ち物が少なくなると、探し物をすることが本当に少なくなり、ストレスも軽減されます。
無駄を省くことで、今までできなかった看護やプライベートな時間にエネルギーを費やすことができるところは共通点であると思います。
シンプルに生きるということは、より良い選択をすること
看護もミニマリズムも「シンプルにすること」が目的ではなく、「大切なものが何か常に考え行動していくこと」ではないかと思います。
自分の看護や生活を振り返り、「対象」にとって必要なケアや行動ができているのか一度考えてみるのも良いですね!
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